埼玉県の地形・地盤
地形
埼玉県は関東平野西部に位置する内陸県で、県西部に山地・丘陵地が分布し、県央から県東部にかけては台地や低地からなる平野部となっている。
県西の山地帯は、関東平野西側に展開する関東山地に属し、秩父山地とも呼ばれる。埼玉最高峰の三宝山(さんぽうやま/標高2483m)や甲武信ヶ岳(こうぶしがたけ/標高2475m)、雲取山(標高2017m)など2000m超級の山々を擁し、山容は険しい。県西中央 付近は秩父盆地と呼ばれる山間盆地が形成されている。山地帯は東方に向かって徐々に標高を下げ、山麓部に経て、県央の台地・丘陵地に至る。
県央台地および丘陵地は、南部に位置する武蔵野台地北端部より山麓部の縁に沿って分布する入間台地、岩殿丘陵、比企丘陵、北武蔵台地などであり、県東には大宮台地が分布する。大宮台地は西に荒川低地、東に中川低地、北には利根川中流低地と も総称される妻沼低地・加須低地に囲まれている。
県央・県東の低地は、妻沼低地では主に砂礫質の、荒川・中川流域では主に泥質の沖積低地をなす。これらのほぼ中間に位置する加須低地では礫層上部に泥炭質の黒泥を含む沖積層が厚く堆積して低湿地をなしている。
地盤
山地
各種岩盤類が基盤を形成し、その上位を黒ボク土や森林性有機質土、岩盤風化土砂などが被覆している。
宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。
丘陵地
山地に比べ起伏量の小さい部分。基盤構成はほぼ山地に準じ、上位を黒ボクやローム土が被覆する。
宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。
台地
砂礫や泥流堆積物により形成された地形面(洪積台地・段丘面など)の上位に、火山灰質の関東ロームが厚く分布する。ロームの層厚は、被覆している下位地形面の形成年代や地質構造によって、大きく異なる。
住宅地盤としては良好と考えられるが、ロームの分布地域では地表付近を黒ボク土(有機質土)が厚く被覆する場合もあるため、注意を要する。
低地
河川流域や開析谷および沿岸部に分布し、いわゆる沖積層を成す。
河川によりもたらされる土砂や浸食二次堆積土を主体とし、砂や砂礫、砂質シルトなどを混在することが多い。
住宅利用を考えた場合、軟弱地盤を形成していることが多いため、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。
- 参考文献
- 「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(埼玉県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
- 「日本の地質3 関東地方」(発行:共立出版株式会社)