兵庫県の地形・地盤
地形
兵庫県は、北縁を日本海に、南縁を瀬戸内海に接し、地質学的には淡路島・家島諸島を含め、県域のほとんど*1が中央構造線の西南日本内帯に属している。地形は県域のおおよそ8割以上を占める山地と山麓部の丘陵・台地、河川流路に形成される扇状地と河口低地、山間盆地などより成り立つ。
山地は、中国山地東縁に属する岡山県境の氷ノ山*2(ひょうのせん 標高1,510m)を最高位として、主として南東方向に標高を減じ、概して穏やかな山容を呈するが、県北沿岸部や六甲山地などは断層を伴う地殻変動や沈降、風化浸食により、複雑で険しく、また急勾配を特徴としている。
山地山麓部では、岩石や砂礫質の丘陵地および台地が広く分布しており、水系による開析が進んでいる。
低地は、県北の円山川中流域の豊岡盆地と河口付近、県南の加古川・市川・揖保川・千種川の各河口に広がる播磨平野、六甲山地北方の篠山盆地と同東方の武庫低地などに代表される。また、河川の多く*3が短い流路、急勾配を特徴としており、山麓谷口を頂点とする扇状地も発達する。
注釈
- 淡路島南方、沼島付近のみ西南日本外帯に属する
- 氷ノ山付近は県内としては唯一の火山地を形成する
- 一級河川5、二級河川93もの河川が存在
地盤
山地
各種岩盤類などで形成された基盤の上位に、黒ボク土や森林性有機質土、火山地では火山礫や軽石などが被覆する。
宅地地盤としての性状は、形成年代や開発状況(土種、層厚、成層状態)により異なるので、注意が必要である。一般に、黒ボク土や森林性有機質土が厚い場合、固結土層が存在する場合、傾斜地を造成する場合には、慎重な基礎選定を要する。
丘陵地・台地
岩石や砂礫で構成される丘陵地、台地。黒ボクや浸食二次堆積土が被覆することが多い。
住宅地盤を想定した場合、浅い深度から密実な礫質層が確認される場合は、問題は少ないと言えるが、堆積状況が不均質な場合には十分な注意が必要となる。
低地
河川によりもたらされる土砂を主体とし、砂や砂礫、砂質シルトなどを混在する。構成土の性状により、礫質の扇状地性低地と細粒土からなる三角州性低地の二つに大別される。
住宅地盤を想定した場合、軟弱層の層厚や礫地盤の安定性に留意する必要があり、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。
- 参考文献
- 「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(兵庫県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
- 「日本の地質6 近畿地方」(発行:共立出版株式会社)