福井県の地形・地盤
地形
福井県は本州日本海沿岸部の中央付近に位置し、山地が広く分布し、森林面積は75%に及ぶ。
敦賀市北東の木の芽峠を境として、北~北東部の「嶺北地域」、若狭湾に沿った南西部の「嶺南地域」に分けられ、それぞれ異なった地形的特徴を示す。
嶺北地域は隆起構造の地形であり、同域東部には北方より両白山地が延長し、標高1,600~2,000m級の山地・火山地を含む山地帯を展開する。山地帯の中央付近には地殻変動や河川開析により大野盆地と呼ばれる低平地が形成されており、現在は岐阜県側から九頭竜川が、周辺山系より真名川などの小河川が流れ込んでいる。
九頭竜川は、盆地内で真名川などの小河川を合流、さらに山地帯を抜ける付近では今庄町より北流してきた日野川を合流して、東尋坊の南で日本海に注いでおり、流域には低地(扇状地・氾濫低地・三角州)が発達する。特に九頭竜川河口から日野川流域には、南北方向に広大の沖積低地が形成されており、福井平野と呼ばれる。また、嶺北の南部沿岸には丹生山地が火山地を含む低山地を展開し、その山体は隆起過程で形成された段丘を伴って、直接海中に没している。
嶺南地域は沈降構造の地形を成し、野坂山地が標高1,000m以下の低山地帯を展開する。また、若狭湾に注ぐ河川の多くが河口付近に狭い低地(敦賀、小浜、三方湖付近など)を形成している。海岸線は細い入江や湾、小さな半島が複雑に入り組んだリアス式海岸の様相を呈する。
地盤
山地
各種岩盤類からなる基盤上に、岩盤類の風化土砂や粘性土など、火山地では火山岩類や砕屑物などが堆積し、表層部をさらに有機質土が被覆する。
起伏地であるため、住宅地盤を想定すると、造成に伴う地盤改変を考慮して、自然地盤の状態や人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要となる。
低地
諸河川の流域に分布し、流程や形成過程の違いにより、開析谷、扇状地、河岸段丘、氾濫原や三角州性低地、砂洲、湿地などに細分される。
河川上流域では浅い深度から粗礫や砂が分布することが多いが、地形開析による多量の土砂が供給される中~下流域では、砂質土や粘性土および砂礫などが互層状に堆積して、厚く不均質な軟弱層を形成すると考えられるため、十分な注意が必要となる。
軟弱層の層厚や状態は、各地形の形成年代や地質構成により異なるため、住宅地盤を想定すると、地盤状態を十分に把握することが必須であり、基礎形式の選定は慎重に行う必要がある。
- 参考文献
- 「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(福井県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
- 「日曜の地学6 北陸の地質をめぐって」(発行:築地書館株式会社)
- 「日本の地質5 中部地方Ⅱ」(発行:共立出版株式会社)
- 参考WEB
- 福井県みどりのデータバンク http://www.erc.pref.fukui.jp/gbank/G_index.html