ボーリング標準貫入試験
一般に単にボーリング調査と呼ばれる地盤調査法は、正式にはボーリング・標準貫入試験と言い、ボーリングBoring(=くりぬくこと)によって掘削した孔を利用して、1mごとに地盤の硬さを測定する標準貫入試験を行なう調査です。通常は、土のサンプリングと同時に行なわれます。
標準貫入試験によって得られるデータをN値(エヌち)と呼び、地盤の安定性を推定する目安とすることができます。
方法を簡単に説明すると、63.5kgのハンマー(おもり)を75cmの高さから自由落下させて、サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する試験で、この時の打撃回数がN値です。
標準貫入試験が必要になるのは、3階建てや鉄骨造などの物件の確認申請に「構造計算書」を添付しなければならないときです。
SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)との大きな違いは、どんなに深い層でも、硬い層でも掘り進むことができることです。
ボーリング標準貫入試験の長所と短所
長所
- 多くの国で基準化された試験方法で、結果の評価・対比が容易
- 現状の土を採取でき、土の観察が容易(物理的な土質試験に使える)
- N値の利用分野が各種の規準で確立している
- 過去データが多数蓄積されている
- 支持層確認(N値≧50が5m連続)が可能
短所
- 広い調査スペース(乗用車2台分以上)を確保する必要がある
- 試験時間が長い(場合によっては数日)
- コストが比較的高い
- 超軟弱な地盤では、データが荒くなりやすい
- 打撃音やモーターの音がする