秋田県の地形・地盤
地形
秋田県は、列島を形成する地体構造上の東日本裏帯に属し、岩手県境となる東側を奥羽脊梁山脈が南北に貫き、この西側を、花輪盆地(鹿角盆地)・大館盆地・横手盆地などの内陸盆地列、出羽山地、台地・段丘、海岸平野列、海岸砂丘地と南北方向の帯状に並んでいる。また、男鹿半島は日本海に約30km突出し、本土との間に八郎潟を抱える形でつながっている。
地形構成は、山地・火山地、山麓丘陵および段丘と低地より成り立つ。
岩手県境に沿う奥羽脊梁山脈は、1000m級の山々を中心とした山岳地を形成し、真昼山地付近では1000-1400m級を擁する大起伏の山容を呈する。また、那須火山帯に属する火山地を内包しており、八幡平(はちまんたい/標高1613m)、駒ケ岳(こまがたけ/標高1613m)、秋田駒ケ岳(こまがたけ/標高1637m)、栗駒山(くりこまやま/標高1627m)といずれも高い標高を誇っている。
奥羽脊梁山脈の西側には、青森県西部から山形県中央部まで続く出羽山地が大きく広がっている。 出羽山地は米代川、雄物川、子吉川などにより、県北部の白神山地、県央部の太平山地、県南部の鳥海山火山地・丁岳山地など複数の山地、丘陵に分断されている。
丘陵地は、奥羽山地および出羽山地の周辺部、とくに笹森丘陵など出羽山地の地域に広く発達している。また、丘陵地の頭頂部が平坦(高低さが少ない)な、いわゆる平頂丘陵となっている。
台地・段丘地は、おもに米代川流域の鹿角台地、大館台地、大野台地、山本台地と、県中央部では太平山地周辺部および男鹿半島の大山山地周辺で発達している。
奥羽脊梁山脈と出羽山地の間には、米代川沿いに鷹巣盆地、大館盆地、花輪盆地が、雄物川沿いに横手盆地が発達している。平野としては、米代川下流の能代平野、雄物川下流の秋田平野、子吉川下流の本庄平野がある。
地盤
山地
各種岩盤類が基盤を形成し、その上位を黒ボク土や森林性有機質土、岩盤風化土砂などが被覆している。火山地では熔岩流ないし泥流堆積物が分布する。
宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。
丘陵地
山地山麓部や高地の周囲に分布する起伏量の小さい部分。基盤構成はほぼ山地に準じ、上位を黒ボク土や森林性結城質土等が被覆する。
宅地利用に際しては、造成による地盤状態の改変を考慮し、自然地盤の状態と人工的な盛土部分とのバランスに配慮した慎重な対応が必要である。
台地(砂礫台地・低位段丘面など)
岩石や砂礫で構成される段丘面で、主に河岸や山間盆地に形成される。
戸建住宅の地盤として考えた場合は、浅い深度から均質かつ密な礫質層が形成されていれば、問題は少ないといえるが、不均質な場合や表層付近に二次堆積土が分布する場合には、沈下に対して注意する必要がある。
低地
平野部および河川流域に分布し、いわゆる沖積層を成す。
扇状地、三角州、自然堤防などの微地形を含み、河川によりもたらされる土砂や浸食二次堆積土を主体とし、砂や砂礫、砂質シルトなどを混在することが多い。
住宅利用を考えた場合、軟弱地盤を形成していることが多いため、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。
- 参考文献
- 「縮尺20万分の1 土地分類図付属資料(秋田県)」(発行:財団法人 日本地図センター)
- 「日本の地質2 東北地方」(発行:共立出版株式会社)