地盤調査の重要性

地盤調査は、土の堆積環境・生成発展について地質学的に調べ、土の物理的な性質や力学的な性質を土質工学的に調べることです。人間に例えれば、人間の生まれた環境や親族関係、成長した過程などを調べるのが、地質学であり、その人間の体力や健康状態を調べて処方するのが土質工学です。

地盤調査の主目的は、地盤が構造物を安全に支持できるかどうか、また、安全に支持するための方法を技術的に調べることです。

地盤を構成する土の性質は、他の建築材料である鉄鋼・コンクリート・石材・木材・などと根本的に異なります。特に、土は含まれる水分の量によって、土の性質が変化します。また、土は場所によって堆積過程が異なり、土の粒子の混ざり具合及び締まり具合などが異なるため、他の建築材料のように均一な特性は得られません。

このような土の性質から、構造物の築造や宅地の造成などの工事を行う場合には、その場所毎に地盤の性質を調査・確認する必要があります。

建物と地盤の関係

建物を支えているのは基礎です。その基礎を支えているのは、さらにその下の地盤です。基礎と地盤の接地面では建物の荷重と地盤の強さが力くらべをしているようなものですが、仮に地盤が軟弱で、建物の荷重に耐えきれないときには、建物は沈下してしまいます。

計画建物の重さに地盤が耐えられるかどうか、見ただけでは分からない地盤の強さが、地盤調査を実施することにによって数値として把握できます。

すなわち、地盤調査の結果を参照することで、地盤の強さに見合った基礎の仕様を決定できるのです。