住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.33
相談内容
先日、地盤調査をしましたが調査会社のコメントは、「GL-0.75m付近までガラ混じりの盛り土、GL-3.5mまで、N=2程度の軟弱なシルト、以下はしまった砂層と思われます。」とコメントが入っていました。
施工業者は、「ベタ基礎ですから大丈夫です」といっています。本当なのでしょうか。
また、データーの見方(数字 Nとか、Na)がよくわかりません。
敷地の周りは次のようになっています。
- 南側はコンクリートで水抜きがついています。
- 西側は宅地で鋼管杭による地盤補強を行っていました。
- 北側は更地です。
- 東側は造成した畑です。
ベタ基礎のほかに、軟弱地盤の対策として次のような提案がありました。
- 鋼管杭で4.5mを36本使用
- セメント改良で改良深さ1.5m
回答
Q.ベタ基礎で大丈夫か?
- 複数の測点間の値に差異がなく、基礎の直下に一様な軟弱層があれば、ベタ基礎は有効な不同沈下対策となります。
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ベタ基礎を採用する際に注意の必要な地盤
a. 締まった層が出てくる深度に落差があり、地層が傾斜していて、軟弱層の層厚が一定ではない。
b. 基礎に瓦礫が部分的に接触している。
Q.数字の見方
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N値:
地盤の強弱を表す指標となる数値。粘性土の場合3以下、砂質土の場合5以下を軟弱と判定する。 -
荷重:
地面に突き立てた鋼製のロッドに100kgまでの荷重を段階的に載せ、途中の荷重の段階毎にロッドが沈むかどうかを観察する。 -
Na:
100kgの荷重を載荷してもロッドが静止したまま自立している時に、ハンドルを回転させ、ロッド先端に取り付けた円錐形のキリで土を揉みほぐしながら強制的に貫入させる際に、25センチ単位で何回ハンドルを回転させたかをカウントする。180度の回転を1回とカウントするので、「半回転数(Na)」と呼ぶ。
Q.敷地について(コンクリートの擁壁)
- 擁壁がある敷地では、地層が傾斜していることが多く、擁壁とは反対側(山側)で軟弱層が薄く、擁壁側で厚くなっている可能性があります。
Q.軟弱地盤対策
- バランスが悪い地盤では地盤改良が有効です。ただし、一律の改良長でよいかどうかの検討が必要。
- -3.5mまで軟弱層があるにもかかわらず、1.5mの改良厚とする設計を当社では採用していません。
【 お願い 】
ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。