住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.29

相談内容 其の一

近所に土地を買い家を建てています(3階建て木造2X4)。
工務店さんの方から、地盤がよくなかった(表面の土が急場造成だった、等)ので、土を掻き出してベタ基礎にしました。地耐力3トンはあるので大丈夫、と言われました。
けれども、工務店さんの独自の調査(棟梁の長年のカン?)らしく、正確な調査をしなくてもいいものか悩んでいます。

  1. 周囲の電柱が傾いている
  2. ワンブロック先に緑道がある
  3. 雨の降った後に土壌の色が異常に黒くなって水溜まりもできていなかった

など、不安材料もいくつかあるので調査を行いたいのですが、既に基礎工事は始まっており、後はパッキン+土台を乗せる段階です。この状態でも調査は可能でしょうか?。
分筆した隣地はまだ更地ですので、そこを調べることで我が家の土地についても有る程度分かるのではと思うのですが、地盤調査はどれくらいの時間・費用がかかるでしょうか。

回答 其の一

  • 地盤調査は可能です。1m四方の空地があれば1箇所の測定ができます。
  • 通常は1宅地で3箇所を測定して6万円(税別)、所要時間は約2時間です。
  • ただし、仮に地盤が軟弱であったとして、これから基礎をやり直すことは可能なのでしょうか?
  • ベタ基礎で妥当なのかどうか、裏付けをとるという意味であれば無駄ではないでしょう。

相談内容 其の二

今もGEODASの土地条件図を見て、下馬2辺りは完全に黄色の部分(谷底・氾濫低地)になっているのを見てショックを受けていたところです。

基礎のやり直しは可能か否か、ですが、調査内容によっては工務店に対しきちんとした調査をしていなかった、ということでやり直してもらうつもりです(余計な費用がかかってもやむを得ません。)

ベタ基礎の方は通常よりも丈夫にしたとのことで(基本的に信頼できる工務店さんだとは思っています)、こちらは写真も撮ってありますし、検証可能です。

回答 其の二

  • ご自分でもご確認済みのように対象地は全域が盛土造成されている「谷地」です。
  • 前面道路を南に下りてきて最初の交差点で昔の水路の痕跡である「緑道」にぶつかり ます。今でも地下のヒューム管の中を水が流れています。
  • 同じ谷地で、最寄りの地盤調査結果を検索すると、軟弱層の厚さは約4m、とくに-2mから-3mに非常に軟弱な地層が分布しているらしいことが分かります。
  • すなわち、「地耐力は3トンはあるので大丈夫」なのではなく、「よくて3トンしかない」のです。
  • ただし、既往の調査結果では、いずれも測点間の差異がなく、地層がほぼ均一なので、基礎の直下に瓦礫や建築廃材などが接触していないという条件であれば、べた基礎で支持させることが可能かもしれません。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。