住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.64
相談内容
住宅用に購入を検討している土地がありますが、現況が水田(約120坪、11mx35m位)となっている為、地盤の点が心配です。
丘陵地帯の上の緩やかの傾斜地(50cm/30m)に位置しており、昔は一面水田があったと思われます。現在は、購入予定地の周りは全て住宅が建っており、100m程のぼった所に水田が散在している程度です。古くから住んでいる人の話しでは、その一帯は地盤が強いと言われています。
購入予定地:神奈川県南足柄市福泉
- 土地を購入後に地盤改良をしても家を建てられない様は事はあるのでしょうか?
- 上記の場合、地盤改良費用はいくらぐらいを予定すればいいのでしょうか?
- 約120坪の内50坪を購入した場合、残りの70坪を水田のまま放置してあると購入した土地の地盤に悪影響があるのでしょうか?
(残りの水田は購入予定地よりやや上った位置にあります) - もし、地主の同意が得られて地盤調査を依頼した場合、地盤調査によって水田に悪影響が出る可能性があるのでしょうか?
回答
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丘陵地は、中腹から頂上にかけて地盤は良好ですが、丘陵の裾地や丘陵を侵食して形成された谷地(沢筋)が軟弱地盤です。
貝沢川沿いの谷地が軟弱かもしれません。 - 丘陵斜面の注意点は、擁壁を介してひな壇状に造成されている場合、その擁壁寄りが盛土地盤となっている点です。
- 水田を宅地化する際に、かならず盛土が施されるはずで、その盛土については軟弱だと考えるのが妥当です。
- 地盤改良は建物の配置と基礎通りが決定しなければ設計ができません。費用は、地盤調査結果から判明する軟弱層の厚さと基礎の総延長によって改良厚と改良本数が異なるので、数十万円単位で幅がありますが、ざっと100万前後を見込む必要があります。
- 高台側にある水田から水が宅地へと浸透してくることがあれば、長期間には地盤が軟弱化する可能性がないわけではありません。
- 地盤調査の痕跡は3センチほどの穴が開く程度で、その穴も土圧で急速に閉塞していきます。すなわち、隣地に及ぼす影響はほとんどないと考えて差し支えありません。
【 お願い 】
ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。