住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.67

相談内容 其の一

現在2×6工法の住宅の建設を計画中です。土地については、10年ぐらい埋め立ててありました。地盤については地盤調査(スウェ-デン式サウンデイング)をしました。結果は添付資料の通りです。(Faxで送付いたします。)

一応べた基礎をすることにはなっていますが、ソイルパイル工法をしたらどうかと言われています。べた基礎だけではもたないのでしょうか。また、もたない場合には、どの程度ソイルパイルをすることになるのでしょうか。よろしくお願いいたします。

回答 其の一

  • 地盤が軟弱かどうかを判定するおおよその目安は粘性土の場合は換算N値が3以下であり、その値がさらに小さければ、より注意が必要となります。
  • データによれば、-1m付近までが瓦礫混じりの盛土(※)、-1~-2mが著しく軟弱、-4.5mまでがN値3以下の軟弱層となっており、地盤としては沈下対策が必要と判断します。
    ※ 貫入不能となっている測点があったり、-1mまでの値が突出しているのは、自然に形成された地層では見られない現象です。すなわち人為的な造成の結果を反映していると考えられ、このような場合には、盛土に瓦礫が混入していることを疑うべきです。
  • ベタ基礎は不同沈下対策として有効ですが、採用する際には、瓦礫が基礎の一部だけに接触し、てこの支点として作用しないことを確認する必要があります。
  • 盛土後、数年しか経過していない場合には、ベタ基礎よりも柱状地盤改良(ソイルパイル)をお勧めします。改良長は4.5m程度。

相談内容 其の二

-1m地点については、全体的に人為的盛土で転石混じり土により埋め戻してありました。4.5mのソイルパイルということは、N値3程度有れば、ある程度の地耐力があり、4.5mの軟弱地盤を無視し、4.5mの柱に浮かせているような感じで考えていればいいというようなものなんでしょうか。

回答 其の二

  • 地盤改良の改良長は換算N値で4程度を満足する層までを原則とします。逆に言えば、換算N値3以下の軟弱層を地盤改良によって強化し、軟弱ではないようにしてしまうわけです。
  • 軟弱層が10m以上もあるような場所では、施工の限界もあるため、本数を増やして、改良体と土との摩擦抵抗で支持するようにします。
  • 砂質土の場合はボーダーラインが換算N値で5程度です。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。