住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.79

相談内容 其の一

現在の木造住宅が古くなり、且傾きが感じられるようになり、2世代住宅(地下及びロフトで4層)に立て替えを計画しています。

現住宅は山の傾斜地に宅地造成することなく谷側にブロックを積上げ高さを調整する、現在では違法建築です。

スウェーデン式サウンディング試験で4個所調査しさらに2個所追加しましたが、N値1.5ー2.5(0ー2mの深さ)、1.5ー2.7mの間でN値は7から12になり調査不能となる場合があるのですが、すぐ横を調査するとまた軟弱地盤となります。

このような地盤で2世帯住宅の建設は可能(得策)でしょうか。

回答 其の一

  • データの詳細が不明なので具体的な返答ができません。
  • どのような斜面に、どの位置で測定したのか、各々のポイントの測定開始レベルと各々の値がどうであったかということです。また、今回も低地側に擁壁、高基礎などを築造して床のレベルを調整するのでしょうか?
    ※ 必要であればFAXをお送り下さい。
  • RC造の地下室があり、しかも階数が3を超える建物については、建築物確認申請に際して構造計算書を添付するよう役所から指導され、その計算書に地盤の許容支持力度を算出する必要から、ボーリング・標準貫入試験か平板載荷試験を実施するのが求められます。
    すなわち、スウェーデン式サウンディング試験で計画を進める妥当性について再検討するとよいと思います。

相談内容 其の二

公庫の申込期限におわれて十分な話し合いがないまま契約しました。

良く見ると基礎工事費が空欄になっており別途請求となっています。
スウェーデン式サウンディング試験による地盤調査結果がよせられ軟弱地盤、支持杭方式による補強が必要とありました。

場所は住宅地ですが、山の斜面、放水路(約1m幅)にそい雨水の水路が谷側にあります。

建築会社はボーリングの必要なしとの事とですが、説明を求めたところ建築確認を1ヶ月延期するといってきました。

家を作る場合に、基礎に必要な支持杭等の経費は不明なまま契約するのが一般的なのでしょうか。いくら必要か不明のためとても心配です。

スウェーデン式サウンディング試験では1.2mないし3m程度で調査不能となっていますが、ボーリング調査は建設業者が必要なしと言えばやらなくても大丈夫でしょうか。
(二世帯住宅ですが地下及びロフトも計画)

回答 其の二

  • 地盤補強のための予算が確定しないまま建築費本体の契約をする事例はたくさんあります。しかし、ローンでの返済計画に組み込まれないこのような費用こそ、資金計画上、事前に提示されていなければならないのではないでしょうか。
  • 支持杭は、場合によって数百万の経費がかかることがあります。(斜面での施工は高度な施工技術を要します。)
  • ボーリング・標準貫入試験をやる必要は2つあります。
    1. 建築確認申請に際して役所から要求される。
    2. 支持杭の先端を支えるための硬い地盤を確認する。
      スウェーデン式サウンディング試験では、硬い地盤がどの深さから出て来るかが分かるだけで、硬い地層が安定して連続しているかはボーリング試験のような掘削能力のある試験でなくては確認できません。)
  • 1.2m程度の深さから硬い地層が連続して出て来ることが経験的にはっきりしていて、しかもその深さでは杭を打っても短すぎるために不向きであると判断され、基礎を深くして対応しようというときには、例外的にボーリング試験が不要な場合が考えられます。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。