住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.5

相談内容

蕨市北町2丁目に新築一戸建てを建設しようとしております。 工法は2×4で、2階建てです。一階の面積は約16~17坪ぐらいです。 スウェーデン式サウンディング試験で地盤調査を実施しました。 その結果N値は以下の通りでした。

  • 0.0~1.5m :3~7
  • 1.5~3.0m :1~2
  • 3.0~10m :3~5

工務店から対策として次の案が提案されました。

  1. ベタ基礎
  2. 3mのところまで、杭打ちをして、布基礎

安全なのは、杭打ちだと思うのですが、金額の面でちょっと負担が大きくなってしまいます。 それで、べた基礎でも大丈夫なのかということと、他の方法はないかお聞きしたいのです。

回答

べた基礎は不同沈下を均等化する特性を有するので、軟弱地盤対策として多用されていますが、特効薬に副作用があるように、べた基礎も「使用上の注意を守る」ことが必要です。

以下の諸点に配慮して下さい。

  1. 建物の直下で、軟弱層の層厚が急変していないことを確認する。

    すなわち、数箇所の調査データにバラツキが無いこと。
  2. 建設廃材などの「ガラ(瓦礫)」がべた基礎に接触していないこと。

    ガラはテコの支点として作用し、沈下の均等化を妨げる。

地表付近に「N値7」がありますが、往々にして盛土の中に砂利や瓦礫が混在している場合に、このような不自然な高い数値となることがあります。

べた基礎を採用するのであれば、基礎に接触するガラを除去し、数10センチを良質の土と置換することをお勧めします。土が緩衝材の役目を果たし、べた基礎が沈下を均等化しようとする動作を助長します。

3mまで杭打ちとのことですが、通例、N値5程度では杭の支持層としては硬さが不足しています。柱状地盤改良(ソイルセメントコラム)の言い間違いではないでしょうか?

コストを考慮すると、これ以上の代替案はないと考えます。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。