住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.4
相談内容
現在水田として利用している土地に、家を建てようと計画しつつあるところです。 住宅メーカの提案してきた地盤改良について不安があるので、専門家の意見を頂きたく思います。
現状
- 地表は道路の最高点から0.9m下がっている
- 地盤をスェーデンサウンディング調査したところ、
地表から1m程は重り(最大100kg)を乗せただけで自然沈下する程度の軟弱度、
N値が5以上となる支持層は地表から1.8m程度の深さにある。 - 地盤の程度や深さは、敷地内で均一
住宅メーカの改良法
- まず地表を転圧して固め、その上に1mの盛り土をする。
- 盛土部分はセメント材を混ぜながら地表改良する。
相談内容
- 地表改良して固くなった部分が、転圧したとはいえ軟弱層の上に乗った状態ですが、沈下の心配はないのでしょうか?
- 改良した部分で家の荷重が球状に分散していくので問題ないとメーカは説明していますが問題ないでしょうか?
もし問題あるようでしたら、望ましい改良方法を教えていただきたく思います。
回答
現場の状況、調査報告書を実見していないので推測の域をでませんが、表層改良を施すと、沈下量が小さくなるのは事実です。ただし、下記の諸点にご注意を。
- 弊社では、軟弱層は残さず改良をします。表層改良は厚さが-2mくらいまでが限度なので、柱状改良工法(ソイルセメントコラム)で設計します。中途半端な表層改良よりは割高になりますが、安くないお金を掛けるなら柱状改良の方が確実に沈下防止対策になります。
- 軟弱地盤を転圧するといっても、深さ方向に30cm程度しか転圧効果がありません。
- 盛土1mの荷重は1.6t/m3以上もあります。建物荷重よりも重いので、更地の状態でも下部の軟弱層の沈下が始まります。すなわち、下部の軟弱層は盛土荷重+建物荷重の影響を受けるわけですが、建物荷重が分散してして小さくなっても、盛土荷重はそのまま軟弱層を刺激します。
【 お願い 】
ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。