住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.57
相談内容
45坪の土地を購入する事になりました。 地盤について2件質問させて下さい。
土地が自分の物になれば地盤調査もできますが、それまでに2ヶ月程かかります。自分で出来ることはと思い、県庁の建築指導課(名称は不確)へ近隣の地盤調査の結果を閲覧できるか?と訪ねると・・・
- 45坪、木造2階建て程度の住宅であれば、あまり気にするほどでもないのでは?
- 地盤調査結果は20年近く前に1冊の資料としてまとめられたが、それももうないのではないか?(県庁ではなく出先機関で保管しているので、わからない)
- 買おうとしている土地と地盤調査位置が離れていれば、参考にならい。
- 同じ敷地内でも地盤の違うところはあるから参考にならない。
と言われました。言葉や対応は丁寧でしたが、何か厄介者扱いって感じでした。 「年に数回このような事を聞かれるがみなさん期待した調査結果ではないようで、 がっかりされてます。」 (電話応対の方が昔、出先機関の○○地方土木事務所での経験談)
私としては、特に上記1.の理由が気になります。 45坪と狭小であれば、地盤は気にする事はないって事。本当ですか?
あと別件で気になるのですが、そこの土地は昔「田んぼ」だったらしいのですが 15年ほど前に埋め立て、それからは税法上の「畑」として一本の樹木が植えられて います。大丈夫でしょうか?
回答
- 狭小な宅地で木造2階建て程度という言い方には、重量構造物も同時に扱っているための安易な思い込みが働いているようです。
- 小規模で軽いにもかかわらず不同沈下などのトラブルは現実に起きているのであり、その遠因は軽いから大丈夫だろうという予断です。
- 軽い建物でも地盤調査は必要であり、地盤の強さを知っていれば、それに見合った基礎の仕様を決定することができます。
- ビルなどを建築する際に行われる「ボーリング・標準貫入試験」の試験結果(「柱状図」)を集めた資料は、「最新名古屋地盤図」(土質工学会中部支部編集、1988、55,000円)として発行されています。最りの図書館の閲覧室に保管してある可能性があります。
- 水田は一般的に地盤が軟弱ですが、問題は、経過年数であるよりも、盛土自体の強さであり、盛土の下の軟弱層の有無です。地盤調査をすれば一目瞭然でしょう。
【 お願い 】
ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。