住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.18

相談内容

建築場所は埼玉県越谷市宮本町2丁目で着工より6ヶ月経っております。立地条件としては、元荒川の堤防より約300メートル市街地に入ったところにあります。

物件を見学した段階で気が付いたことは、玄関が南に向いておりそちら側に通気抗が3カ所ありその3カ所の通気抗すべてに通気窓の右下より10から15センチメートル程度のひび割れが確認出来たことです。さらに、3カ所のうちの1カ所の通気窓の横で下半分縦約10センチメートル横5センチメートル四方のところはコンクリートが欠けていました。なお、東側にも通気抗が有り、そちらも南側と同じように通気抗の右下から10センチメートルの所にひびが入っておりました。但し、北側の通気抗には外見上ひび割れは見つけることはできませんでした。

不動産業者の話では、べた基礎なので問題ない、乾燥収縮による欠落であると言っておりましたが、新築6ヶ月でそのようなことが起こりうるのでしょうか?それから今回の土地は既存宅地であるところを造成し直したと不動産業者は言っております。

回答

  • 基礎の床下換気口の隅角から亀裂が十数センチ伸びて おり、しかも、亀裂の幅が0.3mm以上開いていれば、 コンクリートの乾燥収縮による「ヘアークラック」ではなくて、 沈下が原因となっている「構造クラック」である可能性が あります。
  • 「べた基礎だから問題が無い」かどうかは、あくまでも地盤 調査のデータから判断することで、べた基礎の接地面に 瓦礫混じりの盛土があったり、地層が急変しているなどの 地盤のバランスが悪い場所では、べた基礎の採用はお勧 めできません。
  • べた基礎は重たい上に、深い層まで地盤を刺激して沈下 を誘発するというデメリットを持っている基礎です。それでも べた基礎を採用するには、それなりの使用上の注意が必要で、 軟弱層が均等に分布していなくてはいけません。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。