住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.17
相談内容
草加市の分譲住宅の購入を検討しています。 現在戸田市に在住ですが、埼玉県南部は全般に地盤が悪い上、草加市は その中でも特に地盤が良くないように思います。 当該地は、綾瀬川と伝右川の間にあり、伝右川に近い所に位置し、元は田畑 だったとの事です。(少し離れた所には今も水田がある。)
草加市は地盤の他に、洪水の危険もある事から、草加市役所で調べた所、過去10年間に2度洪水があったとの事です。ただ、当該地はその時点で、田畑だったため正しい実績値が残っていないそうです。(少なくともBMに対して20cmの冠水があったようです)。ただし、当時と異なり現在は区画整理地となり、本下水も通り、さらに、河川の方も、水門と他の川(中川)へのバイパス工事も完了している事から従来よりは水害には強くなっているはずとの見解を市役所の方からうかがいました。
このような土地なのでかなり神経質になり、ハウスメーカーにたずねたところ 地盤調査の資料を見せてくれました。当該地は30数棟と棟数が多いため、 スウェーデン式ではなく、ボーリング調査を行ったそうです。(2地点) 結果を見せてもらいましたが、俗に言うN値は 3m位までほとんどゼロで、 4~5m位の間は 6位でした。またそれ以下もほとんどゼロに近い値でした。 土壌のサンプルも見せてもらいましたが、上部は盛り土で(腐食植物あり)、2m付近は粘土状の土、4~5m付近は砂状の土(貝殻等あり)、それ以下は極めてゆるい粘土状の土でした。いろいろ細かい数字やグラフもありましたが、結論的に書いてある調査結果は 3.9tf/m2の加重に耐えられるというものでした。
このような土地に立つ家は軽量鉄骨系です。基礎は逆T字型の布基礎で、3t/m2クラスのものを使用しているそうです。通常目安としている建物の重さは0.35t/m2だそうで、実際の現場の布基礎の量(面積)から算出すると2t台の加重となるそうです。ハウスメーカーの見解では、地耐力が2t/m2を割るようならば、べた基礎やその他の処置(地盤改良等等)を行うそうですが、当該地は3t以上あるので布基礎で問題ないとの事です。
この物件とは、全く別のメーカーで、発泡スチロールのモデルを使った、面加重のモデル(べた基礎)と線加重のモデル(布基礎)の例を見た事があり、あくまでもモデルの上での話ですが、布基礎のモデルが簡単に沈んでしまったので、それ以来布基礎にはどうも不信感があります。
当該分譲住宅は、比較的大きなメーカーがやっているので、そう無茶な事はしないとおもいますが、このような物件で問題は無いでしょうか。(地盤の良い土地を買い求めたいのはやまやまですが、資金の問題や通勤の問題を考えた時にあまり贅沢は言えません。)もちろん、大丈夫かどうかはこの程度の情報ではお答えいただけないとはおもいますが、どのような点に注意すれば良いかや、一般に布基礎でも問題無いか程度でも、お答えいただければ幸いです。
回答
- 区画整理がいつ行われ、その際に盛土がどの程度施されたのかが 重要です。盛土の厚さが50cmで0.8t/m2、厚さ1mで1.6t/m2もあり、 建物荷重よりも重いのです。
- つまり、元々の地盤は、建物荷重+盛土荷重を受けるわけで、 3t/m2基礎でOKというのは、この盛土厚を考慮してのことなの でしょうか?
- ボーリング・標準貫入試験は造成前のデータかもしれません。軟弱 地盤には、建設廃材の「ガラ」混じりの盛土が行われることが往々 にしてあります。当該の区画に鉄筋などを差し込んで、異物の感触が あれば、基礎工事の際に、ガラが部分的に基礎に接触しないよう 配慮すべきです。
【 お願い 】
ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。