住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.92
相談内容 其の一
奈良県で建築条件付き土地(11区画、平均50坪)を購入して家を建てようと考えています。
その土地は、5カ月前まで溜池(深さ3メートル)だったようで土を入れてから3カ月くらいしかたっていないようです。
不安に思い、地盤のことを尋ねると、
- 現在の造成については、池の下にある泥は、とっておらず、その泥の上に山土を入れている。
- 地盤調査をするのは初めてだが、これからする予定で、問題があれば当社負担で地盤改良する。
- ベタ基礎をするから大丈夫。
- 建物は、2×4の高耐久建物で10年間の保証を付けるし、土地に対しても溜池ということもあるので10年保証をつける。
と言われました。本当に大丈夫でしょうか?
回答 其の一
- 不同沈下の可能性のある軟弱な地盤ではないかと想像されますが、実際に地盤調査をすれば一目瞭然で軟弱層の厚さが判明するはずです。
-
池の底に軟弱層があるのであれば、盛土の重みによってその層の沈下が発生するので、地盤改良を設計する際には、盛土部分だけを改良するのでは沈下対策とならないことに注意すべきです。
※ もちろん盛土もフカフカしているはずです。 - 土地についての10年保証の具体的内容がよく分かりません。どのような現象が顕在化したときに、どのような保証をするのか、明確な規定があるのでしょうか?
相談内容 其の二
ご回答頂きました3つ目の内容の件ですが、
池だったということもあるので、この物件(11区画)のみ建物に加えて土地に対しても保証を付けるとのことですが、どういう場合に土地の保証があるかなど詳細は確認できておりません。
過去にも建築条件付で田んぼなんかにたくさん家を建てられているようですが、地盤調査の経験がなく、今回が初めてということが非常に不安です。
業者の方は、地盤が悪ければ住宅金融公庫が使えないから大丈夫と言っていましたが...
あと1点、お聞きしたいのですが、もとが池だった場合、地盤改良すれば100%大丈夫だといえるのでしょうか?
回答 其の二
- ひと口に地盤改良と言っても、砂利を搬入して締め固めるだけのやり方から、柱状地盤改良(※当社ホームページ参照)によって軟弱層を固化してしまうものまである上に、改良工事の設計と施工精度は業者によってかなりばらつきがあるので、改良をやれば100%大丈夫とは言い切れません。
- 元が池であっても改良工事ができないわけではなく、適正な監理を行えばいいのです。
【 お願い 】
ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。