墨田区の地盤
墨田区の地形
墨田区は、全域が広大な東京低地*1に属し、海生の砂やシルト を主体に互層を成す厚い軟弱層に覆われている。地形的には海岸低地や自然堤防(砂の微高地)より成り立つが、市街化に伴 う盛土などにより、原地形は不明瞭なものとなっている。 なお、江戸期の埋め立て以前には、墨田区の南縁にあたる地域が湾に臨んでおり、隅田川や荒川の運搬土砂が形づくる三角州性の低地を形成していた。
注釈
- 東京西部域に広がる武蔵野台地と千葉県北部域の下総台地との間に分布する沖積低地を言う。その基底は約2万年前の陸地が海中に没したもので、古東京川の河谷が深い埋没谷となって刻まれている。
地形・地質と住宅地盤
海岸低地
東京湾沿岸に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、上部には緩い砂や軟弱なシルトなどが分布しているため、標準的な基礎では、十分な耐力を確保することが困難であり、適切な基礎補強策が必要となる。
自然堤防
周囲の氾濫低地や海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、一般に河川に沿って帯状に分布している。河川によって運搬された砂や砂礫が浅い深度から分布しているため、住宅地盤としては、比較的良好な場合も多い。しかし、度重なる河川の氾濫と蛇行によって運ばれた軟弱な粘性土や緩い砂が、自然堤防の上に新たに堆積している場合には、基礎補強対策が必要となる。