新宿区の地盤
新宿区の地形
新宿区は、武蔵野台地の東端に位置しており、区のほぼ南側を占める淀橋台と西側の豊島台とに細分されて呼ばれている。また、区の西端に沿い、西落合を経て東へ流れる神田川と、落合地区を南北に分けて流れ、西落合付近で神田川に合流する妙正寺川を中心として、樹枝状に低地(谷地)が分布している。
淀橋台・豊島台は、それぞれ海岸平野と三角州が隆起してできた砂礫または粘性土層の上に、富士山の火山灰が沈降した地層構造となっている。台地部を覆うこの火山灰層は関東ローム層と呼ばれている。低地部は、河川や河口付近に堆積した礫や粘性土の層となっており、沖積層と呼ばれている。
なお、区内の標高は平均30mで、最高地点は戸山2丁目の箱根山で標高44.6m、最低地点は飯田橋付近で4.2mである。
地形・地質と住宅地盤
台地面
比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。
谷底低地
台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土(腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。
- 地盤データ例
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- C.新小川町
台地と低地の境
台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布する。また、人為的に平坦化されている所も多く、場所によって盛土の厚さが異なるため、地盤のバランスが悪くなっている場合がある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。
- 地盤データ例
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- D.若葉1丁目