神奈川県は関東平野南西部に位置し、三浦半島を境として、東縁を東京湾に、南縁を相模湾に接している。県内は関東平野外縁にあたる山地が覆う県西部と平野部にあたる県東部とに大別される。地形区分は山地、丘陵地、台地、低地より成り立ち、県南西端では特徴的な火山地の形成もみられる。
県西の北部山岳地を形成するのは関東山地に連なる丹沢山系の山々であり、県内最高峰の蛭ヶ岳(標高1673m)をはじめとして、丹沢山(同1567m)、大室山(同1588m)などを含む1500-1600m級の大起伏山地が展開して、断層活動を経た険しい山容を呈している。 山地は南に標高を低めて、秦野盆地に至り、さらに県西の南部沿岸部に接する小規模な丘陵地地形、大磯丘陵へと続く。
大磯丘陵の西側には酒匂川下流低地が分布し、これを挟んで、酒匂川右岸には三重の式の外輪を従えた箱根火山地が位置している。
丹沢山地の東縁以東は平野部をなし、県央を南流する相模川右岸には山地裾野に分断された伊勢原台地が、左岸には広大な相模原台地が分布し、河川流域は発達した沖積低地となっている。相模原台地の東方には多摩丘陵が南延して、三浦丘陵へと連なり、三浦半島を形成している。県東端の多摩川右岸域には武蔵野台地の南端にあたる下末吉台地が分布している。県南の山岳地域では谷の開析が著しく、分断された山塊もみられる。